
ポートフォリオが未来を変える。「foriio」のHiro Yamadaが創る、もっとクリエイターが活躍しやすい時代。
クリエイターには必須なポートフォリオ。InstagramやWebサイトを駆使しているかたもたくさんいますが、ポートフォリオに特化したプラットフォームがあるのはご存じでしょうか。
その名はforiio。「クリエイターに優しいポートフォリオサービス」です。手掛けるのは、Hirohito Yamadaさん。
今回は彼に、クリエイター業界に対する思いについて語っていただきました。
クリエイターが働きやすい時代を創るために
――まずVALUを知ったきっかけはなんですか。
山田:ハッキリと覚えてないんですよね(笑)。Twitterのフィードに流れてきて知りました。個人にフォーカスした仮想通貨からみのサービスって面白いなって。どのように個人をサポートしていくのかというところに興味があって始めました。
――山田さんが運営されている“foriio”とも、やはり通じる部分があるんですね。
山田:個人の活動をサポートする、というコンセプト的なところでは、とてもシナジーを感じました。今より「個」が活躍しやすい時代を作るために考え、行動しているところは近しい。
――そもそもforiioというサービスを作ったのはなぜですか?
山田:昨年までアートディレクターとして働いてたんですけど、カメラマンさんやスタイリストのアシスタントさんなど、フリーのクリエイターがすごく苦労していたんですよ。
――苦労と言いますと…。
山田:労働時間や賃金の問題、セクハラやパワハラなど、課題が山積みな業界なんです。
――(……察し)
山田:しかも、その状況を越えていかないと活躍できない。IT業界ではGitHubやSlackなども開発され、働きかたが劇的に進化してるのに…。だったら、もっと自分たちが働きやすくなるためのサービスを作ろうと思ったんです。
――そのキーワードになったのが、ポートフォリオだったんですね。
山田:そうです。上質なポートフォリオがないと、自分のことを上手く周りにアピールできないんですよ。それは新しい仕事の機会損失に直結してしまうんですよね。
――たしかに。どんなにいいクリエイターだと話を聞いていても、成果物を見たほうが仕事を依頼しやすかったりしますもんね。
山田:新しい機会があれば、相性のいいクライアントにだって巡り合えるかもしれない。ポートフォリオさえあれば、チャンスは掴めると思ったんです。
――いい話だ…。
山田:クリエイターをしている友達がいたんですけど、彼は師匠と仲たがいして「業界ではもうやっていけない」と話をしていたんです。でも、僕はそんなこと全くないと思ってて。今の時代はFacebookも、Twitterだってある。個人の力をエンパワーメントすることができれば、いくらだって活躍できる。そうやって個人の力を後押しする存在を作りたくて始めたのが、誰でもポートフォリオを作れるサービスである“foriio”なんです。
良質なポートフォリオを作れるサービスとして
――でも、ポートフォリオってホームページ、なんならInstagramでも事足りる気がするんですよ。なぜわざわざ“Foriio”というプラットフォームが必要なのでしょうか。
山田:ポートフォリオを甘く見てますね(笑)。
――いや、そんなつもりは…。
山田:ポートフォリオって、情報をまとめて作って終わりじゃないんですよ。作品のどこを手掛けたのか、はたまたどう作ったのかというところまで伝える必要があるんです。例えば面接にポートフォリオをもっていっても、めっちゃプレゼンしませんか。
――します、します。どれくらいの時間をかけてとか、どんな準備をしてとか。
山田:そうですよね。ポートフォリオって見せて終わりじゃなくて、必ず説明するんですよ。だからオンライン上でも、そうあるべきだと思ったんです。
――なるほど…。
山田:InstagramやTwitterは自分の仕事を的確にアピールすることに特化はしてないんですよね。
どうやったらクライアントが興味を持つか、どうやったら魅力的に自分の仕事を伝えることができるか。それに注力したプラットフォームづくりがしたいんです。
クリエイターがよりクリエイティブな世界を
――山田さんは、キャリアのフットワークがすごく軽いですよね。広告会社の会社員から、スタートアップ、フリーランスを経験し独立。考えに縛られてない感じがあります。
山田:そうですね。でも、普通の広告制作会社でデザイナーをしていたときは、その先も「こういう感じで働いていくんだろうな」って思ってましたよ。
――フットワークを軽くするきっかけが何かおありなんですか。
山田:東日本大震災ですね。当時は広告会社で働いていたんですけど、震災の揺れを経験して「これじゃアカン」って思ったんです。
――「これじゃアカン」とは…。
山田:例えばですけど、予算やスケジュールに縛られて毎月何日も徹夜して、「冷蔵庫がスリムになりました」って広告することが世の中に対してなんの意味を持つんだろうって考え込んでしまい…。自分がちゃんと納得できないことに対して、自分の時間やスキルを使っていたら死ぬときに絶対後悔する。そう思って広告会社をやめました
――たしかに現地で被災していないにしても、生死を意識した出来事でしたよね。
山田:僕、震災の2日後に友人から連絡をうけて、CNNのクルーと一緒に通訳として現地いりしたんですよ。そこで目にした現実が本当に衝撃的で。会社に戻ったとき、仕事が手につかなくなってしまったんです。自分は何をやってるんだろうって。
――このまま働いていたら後悔するな、と。
山田:これをしなくちゃ助からない人たちがいる、というぐらい困窮状態なニーズが世の中には色々あるんだと気づいたので。飽和しているものに対して訴求するのではなく、よりニーズが高いものに力を注ぎたくなったんです。
――クリエイターたちの訴求に対して、foriio を提供しているのも直に結びついている感じがしますね。
山田:自分がやる事業ですもん。そうでないとやりきれないですから(笑)。スタートアップなんて大変でしかないし、課題は次から次へと出てくる。嫌なことをはねのけてまで頑張りたいことじゃないと、やりとげられないですよ(笑)。
――慈善心の塊!
山田:いやいや、そんなことないですよ。僕はたまたま自分の欲望と業界の課題がマッチしてるから、聴こえがいいだけで。自分もクリエイターだったからこそ、クリエイターたちがもっと尊重される未来を作りたいだけです(笑)。
――forioは今後どんなサービスに発展していくんですか。
山田:クリエイターとプロジェクトをつなぐハブできな存在になれたらいいなって思ってます。朝起きてforiioを立ち上げたら地球の反対側から仕事の依頼が来ている。コミュニケーションは自動翻訳で対応できる。スケジュールや予算の管理みたいな面倒はケアしてくれる。そんな時代がもう来てるんですよね。だから、クリエイターの人たちが僕らのサービスを使って、よりクリエイティブに活躍できる環境を整えていきたいです。
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